外国人土地取得規制の検討開始 政府会議が初会合開催

長峰 詩花
经过

安全保障の観点から制度見直し議論

政府は3月4日、外国人による土地取得のルールを検討する有識者会議の初会合を開いた。安全保障環境の変化を踏まえ、土地売買や利用の規制の在り方について専門家の意見を集約する目的で設置された会議である。政府は2026年夏をめどに基本方針を取りまとめる方針で、今後の制度設計の基礎となる議論を進める。

有識者10人が参加し政府方針を説明

会議には、北村滋元国家安全保障局長や松尾弘慶大教授など安全保障や土地制度に詳しい専門家が参加した。政府側は現在の制度の概要や海外の規制事例を説明し、日本の土地政策の現状について共有した。
現在は重要土地利用規制法に基づき、重要施設周辺の土地取引などについて国籍を問わず監視や利用制限が行われている。

防衛施設周辺など取得への懸念指摘

議論では、防衛施設や国境離島周辺の土地取得に対し安全保障上の懸念が示された。出席者からは、重要な土地が取得された場合に安全保障上の問題が生じる可能性を指摘する声が上がった。
また、土地が一度取得されると対策が難しくなる可能性があるとの見方も示され、事前の制度整備の必要性について意見が交わされた。

外国人限定規制と国際ルールの問題

一方で、外国人のみを対象とした規制については慎重な意見も出ている。世界貿易機関(WTO)の枠組みで締結されているサービス貿易一般協定(GATS)には、外国企業を差別的に扱わない「内外無差別」の原則がある。
そのため、外国人を限定して土地取得を制限する制度は国際ルールとの整合性が課題になると指摘されている。

住宅価格高騰や離島管理も議論対象

会議では、外国人による投資目的の住宅購入についても議題となった。都市部ではマンション価格の上昇が続いており、投機的な不動産取得が一因とする指摘がある。
ただし、規制が必要と判断できるほどの統計やデータが十分にそろっていないとの見方も出ている。また、所有者不明の無人離島の国有化を検討する方針も議論の対象となる。

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