猛暑想定でも全国で予備率3%を確保、夏の節電要請は3年連続で見送りと経産省が有識者会議で正式決定へ今夏対応方針

宇津木 柊
经过

7月から9月の電力需給に一定の余力を確認

経済産業省は5月20日、有識者会議で2026年夏の節電要請を行わないことを決めた。対象となるのは電力需要が高まる7月から9月までの期間である。厳しい暑さを想定した需給見通しでも、全国の電力供給には最低限必要な余力があると判断した。

夏の電力需給は、冷房使用の増加によって逼迫しやすい。政府は毎年、需要期を前に供給力や燃料の確保状況を点検している。2026年については、全国規模で一律に節電を求める状況にはないと結論づけた。

柏崎刈羽6号機再稼働などで供給力が増加へ

経産省は、昨年10月時点の見通しと比べて供給力が増えていると説明した。その要因の一つとして、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発6号機の再稼働が挙げられている。供給力の上積みにより、夏場の需給見通しは一定程度改善した。

電力供給は、火力、原子力、その他の発電設備の稼働状況に左右される。供給力が増えれば、猛暑時の需要増にも対応しやすくなる。今回の判断では、こうした設備面の変化も、節電要請を見送る材料となった。

イラン情勢下でも燃料確保の見通しを確認する

一方で、国際情勢をめぐる不確実性は残っている。イラン情勢の緊迫により、エネルギーの安定供給に対する懸念が続いているためだ。発電用燃料の調達に支障が出れば、電力供給にも影響が及ぶ。

経産省は、こうした状況の中でも燃料は平年並みに確保できるとの見通しを示した。燃料在庫については、今後も状況を逐次確認する。必要が生じた場合には、早期に対応する方針を取る。

企業と家庭には省エネ対策の継続を促す方針

節電要請を行わない場合でも、省エネ対策の重要性は変わらない。経産省は、企業や家庭に対して、引き続き省エネルギーへの取り組みを促すとしている。これは、電力需給の安定を支える需要側の対応として位置づけられる。

省エネは、電力需要が集中する時間帯の負荷を抑える効果がある。設備の効率的な使用や無駄な電力消費の抑制は、需給全体の安定につながる。政府は強制的な節電ではなく、継続的な省エネを促す形で夏を迎える。

警戒体制を維持しながら夏の需要期へ対応する

経産省は、安定供給に必要な予備率を確保できるとしながらも、想定外の事態には備える考えを示した。発電所のトラブルが重なった場合や、見通しを上回る猛暑となった場合には、需給が厳しくなる可能性がある。こうした局面では、電力需給逼迫警報などを通じて節電を求める。

2026年夏の節電要請見送りは、現時点の需給見通しに基づく判断である。政府は燃料在庫や供給力の状況を監視し、必要に応じて対応を切り替える。全国的な要請を避けながらも、警戒を続ける運用が取られる。

この記事をシェア