中東情勢受け高市首相が補正予算検討を表明し生活支援策を説明

井村 智規
经过

初の党首討論で政策論戦が本格化

高市首相と野党党首による今国会初の党首討論が5月20日午後に開かれた。討論には過去最多となる野党6党の党首が臨み、中東情勢、物価高、外交、外国人政策、AI活用など幅広いテーマで質問が相次いだ。高市首相は、国民生活と経済活動への影響を抑える姿勢を示し、必要な対策を講じる考えを説明した。

討論では、中東情勢の緊迫化が燃料価格や資材供給に与える影響が大きな焦点となった。国民民主党の玉木代表は、ガソリン代への支援延長や夏場の電気代、ガス代への対策を含む3兆円程度の補正予算案を早急に編成するよう求めた。高市首相は、国民生活や経済活動に万一の影響が出ることを避けるため、補正予算案の編成を含めた資金調達を指示したと述べた。

中東情勢に備え補正予算を検討

高市首相は、補正予算案の規模や具体策について、現段階では示す状況にないと説明した。一方で、中東情勢などに対応する形で補正予算案を検討する考えを明確にした。財源については、特例公債の発行をできる限り抑制しながら、国民の生活と事業を守る方針を示した。

政府がガソリン価格を1リットル当たり170円程度に抑えている支援策も論点となった。高市首相は、野党から示された提案を重要なものとして受け止めると述べたうえで、中東情勢による影響の長期化を慎重に見定める姿勢を示した。あわせて、基金の残高を踏まえながら必要な対応を取る考えを説明した。

供給網の混乱と価格高騰に対応

中道改革連合の小川代表は、建設、医療、農業などの現場で資材の入手難や価格上昇が起きていると指摘した。予備費を積むだけではなく、影響を精査したうえで必要な支援を行うべきだと求めた。高市首相は、危機下では供給側の力を高めることが重要だと述べ、民間金融機関にも協力を要請していると説明した。

高市首相は、現場で供給の停滞が生じていることを政府として把握していると述べた。ナフサが手元に存在しているにもかかわらず、必要な場所へ届いていない状況にも言及した。対応については、赤澤経済産業大臣を中心に取り組みを進める考えを示した。

飲食料品消費税ゼロ法案を提出へ

物価高対策では、飲食料品の消費税ゼロをめぐる政府対応も議題となった。高市首相は、実施時期について「できるだけ早く」と述べ、スピードを重視する姿勢を示した。超党派の「社会保障国民会議」が夏前に中間とりまとめを行った後、政府として関連法案を提出する考えを明らかにした。

公明党の竹谷代表は、イラン情勢が国民生活に深刻な影響を与えつつあるとして、6月以降の値上げにも触れた。高市首相は、昨年度補正予算の執行をまず着実に進めると説明した。そのうえで、飲食料品の消費税率ゼロと給付付き税額控除の早期実施に力を入れる方針を示した。

外交やAI政策でも見解を表明

米中首脳会談について、立憲民主党の水岡代表は、日本の利益が置き去りにされる懸念をただした。高市首相は、米国と中国が意思疎通し、地域の平和が保たれることは重要だとして歓迎する考えを示した。さらに、トランプ大統領から日本の関心事項について説明を受けたとして、米中協議が日本外交に不利益をもたらすとの見方を否定した。

AI政策をめぐっては、チームみらいの安野党首が活用の重要性を問うた。高市首相は、検索や翻訳でAIを利用していると述べ、自動運転や医療支援などで活用の余地があるとした。一方で、リスクを最小化するため、各国政府や米国の大手IT企業と情報交換しながら対応していると説明した。

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