グーグル検索がGemini導入で25年ぶり大幅刷新へ利便性向上を発表

笠原 美琴
经过

AIを軸に検索体験を刷新

米IT大手グーグルは5月19日、米カリフォルニア州で開いた製品発表イベントで、生成AI「Gemini」を検索サービスに組み込む新たな機能を示した。従来の検索は短い単語を入力し、表示された結果から利用者が情報を選ぶ形が中心だった。今回の刷新では、利用者がより長い文章で質問や目的を入力し、知りたい内容を段階的に絞り込める仕組みを導入する。

同社は検索画面の構成も大きく見直した。検索サービスのデザイン変更としては25年以上ぶりの大規模な刷新と位置付けている。文章に加え、画像や文書、動画など複数の情報形式を組み合わせられる点も特徴となる。利用者が入力する内容の幅を広げることで、検索を単なる情報収集から、目的に沿った作業支援へ広げる狙いがある。

長文入力で情報探索を支援

新機能では、利用者が短いキーワードだけに頼らず、自然な文章で検索できる。目的や条件を詳しく入力することで、必要な情報に近づきやすくなる設計である。検索結果の表示だけでなく、質問の意図をAIが読み取り、内容を整理する機能が重視されている。

これにより、利用者は複数の検索語を何度も入力し直す手間を減らせる。例えば、調べたい内容の背景や条件を文章で示すことで、検索側が関連情報をまとめて扱う形となる。グーグルは、AIを使った機能を利用する人ほど検索の利用頻度が高まっていると説明している。ピチャイ最高経営責任者は基調講演で「人々が検索でAIを活用した機能を使うほど、検索の利用頻度が高まっている」と述べた。

画像や文書も組み合わせ可能

今回の発表では、文字情報に限らない検索の活用も示された。利用者は文章の入力に加え、画像、文書、動画などを組み合わせて検索できる。これは、情報の形式が多様化する中で、検索サービスをより広い作業の入り口にする取り組みといえる。

画像を含む検索では、利用者が目にしたものや保存した資料を手掛かりに情報を探せる。文書を用いる場合は、内容をAIが読み取り、関連する情報や要点の把握を支援する。動画などの情報も対象に含めることで、検索の対象範囲は従来より広がる。グーグルは、こうした複数形式の情報処理にGeminiを活用し、利用者の作業効率を高める方針を示した。

検索エージェント機能も発表

グーグルは検索の刷新に合わせ、日常的な作業を自動で進める検索エージェント機能も発表した。これは、利用者の指示に基づき、必要な情報を集め、作業の一部を代行する仕組みである。検索が情報を探すだけでなく、実際の行動に近い領域へ広がる点が注目される。

AIエージェントは、単体の質問に答えるだけではない。利用者の目的に応じて、複数の情報を参照しながら作業を進める。検索機能と連動することで、日常の調査や整理、資料作成の負担を軽減することが想定されている。グーグルは、利便性を高める新機能としてこの仕組みを位置付けている。

生成AI時代の検索再編が進展

グーグルの発表は、生成AIを検索の中心に据える方向を明確にしたものだ。検索は同社の主要サービスであり、その画面や入力方法を大きく変えることは、利用者の情報接触の形にも影響する。Geminiを組み込むことで、従来型の検索から、対話型で作業支援に近いサービスへ移行を進める。

AIエージェントの開発では、オープンAIやアンソロピックも取り組みを進めている。企業向けだけでなく、個人利用を視野に入れた競争が強まっている。グーグルは検索と複数アプリの基盤を持つ強みを生かし、一般利用者にAI機能を広げる方針を示した。今回の刷新は、生成AI時代の検索サービスの位置付けを変える動きとなる。

この記事をシェア