国力全体を軸とした安全保障議論開始
政府は2026年4月27日、安全保障政策の基本方針を定める3つの文書の改定に向けた有識者会議を立ち上げた。今回の会議は、安全保障を単なる軍事分野に限定せず、国家全体の能力として捉える観点から議論を進めることを目的としている。
首相官邸で開かれた初会合では、外交や経済、技術など複数の分野を統合した政策の必要性が指摘された。
総合的な国力の強化が政策の柱
高市首相は会議の中で、安全保障を支える要素として外交、防衛、経済、技術、人材などの連携が不可欠であるとの考えを示した。こうした複合的な能力を有機的に結び付けることで、国の安全を維持する体制を整える必要があると説明した。
また、現行の政策指針の見直しは極めて重要な政策判断であり、優先事項を明確にした上で効率的に資源を配分する必要性があると述べた。
民間協力と先端技術の活用が課題
今回の議論では、自衛隊だけでなく民間分野の役割も重視されている。人工知能(AI)などの新技術を含めた研究開発を進めるため、企業や研究機関との連携が重要であるとの意見が示された。
さらに、防衛産業の基盤を維持・強化することが安全保障体制の持続性に直結するとの指摘もあり、産業政策との連携が不可欠とされている。
防衛関連費の引き上げ幅が焦点
現在の計画では、防衛費を含む安全保障関連費を2023年度から5年間で約43兆円とし、GDP比2%を目標とする方針が掲げられている。今回の改定作業では、この水準をさらに見直す可能性も含めて検討が行われる。
財源の確保方法や支出の優先順位についても重要な論点とされ、政策全体の持続可能性が問われる形となる。
秋の報告書取りまとめへ議論継続
有識者会議には外交や防衛、経済分野の専門家ら15人が参加し、2022年に行われた前回の検討体制を再編した形で設置された。各分野の知見を集約し、現実的な政策案の形成を目指す。
政府は秋ごろを目標に報告書を作成し、その内容を基に新たな政策文書を策定する計画であり、今後の議論の進展が注目されている。
