AI拠点の電力負担で地域配慮示す米IT大手の新方針

井村 智規
经过

地域社会との摩擦が背景に浮上

生成AIの開発を支えるデータセンターは大量の電力を消費し、周辺地域の電気料金上昇につながるとの指摘が続いている。こうした中、米国内の一部地域では住民による反対の声が強まり、企業側の対応が注目されていた。マイクロソフトは、こうした摩擦が拡大する状況を踏まえ、地域負担を抑える姿勢を明確にした。

電気料金上昇分を企業が吸収

同社は、AI向けデータセンターが立地する地域で電気料金が上昇した際、その増分を企業側が負担する方針を示した。データセンター運営に伴う費用を自ら引き受けることで、地域住民や事業者への影響を抑える考えだ。電力会社と協力し、需要に応じた供給能力の強化にも取り組むとしている。

水資源への対応と補充計画

電力に加え、冷却用途で消費される水の使用量削減も柱となる。マイクロソフトは、使用した水量を上回る補充を行う方針を示し、地域ごとの水利用状況や補充の進捗を公開する計画を明らかにした。資源管理の透明性を高めることで、地域の理解を得たい考えだ。

政治的発言が後押し

データセンターを巡っては、ドナルド・トランプ氏が「国民に高い電気料金を負担させるべきではない」とSNSで言及するなど、政治の場でも問題視されている。こうした発言も、IT企業に対する社会的圧力を強める要因となっている。

負担公平性を重視する企業姿勢

同社幹部は、テクノロジー企業が高い収益を上げる中で、AIのための追加的な電力コストを国民に転嫁するのは不公平で、現実的でもないとの認識を示した。今回の方針は、AI成長と地域共生の両立を模索する象徴的な動きと位置づけられる。

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