金利維持が示す政策優先順位
欧州中央銀行(ECB)は12月18日の理事会で、主要政策金利の据え置きを決めた。4会合連続の判断となり、金融政策の安定性を重視する姿勢が明確になった。
市場では、今回の決定により短期的な政策変更の可能性が後退したとの受け止めが広がった。
インフレ見通しの調整
同時に公表された経済見通しでは、インフレ率予測の一部が修正された。2026年の見通しは引き上げられ、物価上昇が想定よりも底堅いことが示唆された。
一方で、2027年についてはやや低い水準が示され、中長期的な物価安定への認識が示されている。
市場参加者による評価の広がり
成長と物価の見通しが改善したことで、金融緩和局面が終了したとの見方が投資家の間で広がった。ただし、利上げの時期については具体的な前倒し観測には至っていない。
市場では、ECBが当面は現状維持を続けるとの認識が優勢となっている。
総裁発言と政策運営
ラガルド総裁は、将来の金利変更について事前に決めた日程は存在しないと述べた。政策判断はデータに基づき、会合ごとに行う方針が改めて示された。
不確実性の高い環境下で、将来の金融政策を断定的に示すことはできないとの認識も示された。
欧州内外の金融動向
同日、英国の中央銀行が政策金利の引き下げを決定し、欧州内で金融政策の方向性に違いが見られた。
ECBは世界経済の不透明感がユーロ圏成長の重荷になると指摘し、域内各国に競争力強化を促している。
