英南東部列車での集団刺傷、11人が負傷と警察報告
11月1日夜、英南東部を走行中のロンドン方面行き列車内で、乗客および鉄道従業員が刃物による複数の刺傷を受ける事件が発生。少なくとも11人が病院で手当てを受け、そのうち5人は退院済み。重体とされた鉄道従業員は現在、容体が安定していると伝えられている。
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犯人とされる32歳英国籍男性の訴追が進展
当局は11月3日、32歳の英国籍男性を殺人未遂などの罪で訴追したと発表。警察の捜査により、事件当夜に列車内で犯行に及んだとされる。別に逮捕されたもう1人の男性は、2日までに釈放された。捜査は現在、動機・経歴・犯行前の行動を中心に展開中である。
現場では運転士の判断と迅速な警察対応により被害拡大が回避された可能性
運転士が予定された停車駅を通過せず、ハンティンドン駅で列車を緊急停車させたことで、警察官が8分以内に到着し犯人を拘束したと報じられている。列車は中部ドンカスター発ロンドン行きで、通報から間もなく停車した対応が、さらなる被害を防いだと分析されている。
テロの関連性否定、単独犯による無差別行為との見方が強まる
捜査機関は、現時点でテロ攻撃を示唆する証拠は見つかっておらず、対テロ警察にも被疑者の登録なしとの報告がある。つまり、単独の人物による突発的な襲撃という見方が有力である。警察は今後、犯人の心理状態やその背景を重点的に調査する方針を示している。
鉄道セキュリティへの問い直しと公共交通機関の安全強化策
今回の事件を受けて、英国では鉄道駅と列車内の安全確保に向けた議論が再燃している。金属探知機や空港並みのスクリーニングは「非現実的」との見解が運輸省から示されており、駅員・警察・鉄道事業者の連携強化、乗客への啓発、列車内警備体制の見直しが急がれている。利用者の安心感を保つためにも、実効性ある対策の検討が求められている。
