長期政権継続の構図と国内課題への示唆　制度と課題の全体像が判明

制度改革と再選可能体制の構図が判明

ビヤ氏は2008年、憲法改正によって再選回数の上限を撤廃し、事実上無制限に大統領再選が可能となる制度基盤を整えた。これにより1982年の就任以来、現在に至るまで政権を維持できる構図が構築された。

今回の選挙では野党候補の乱立による分散と、ビヤ氏自身の演説回数がわずか一度にとどまった点が注目されている。政権の強固な基盤を背景に、候補本人が大規模な街頭演説を行わずとも優勢を保てる戦略が浮き彫りとなった。

92歳という高齢でありながら政権を継続してきたビヤ氏の体制には、健康状況や政治的活力について国内外で疑問が呈されていた。実際、投票所での足取りや公の出席機会の少なさから、指導力の持続性に懸念が示されていた。

国民の多くを占める若年層の失業、公共サービスの遅れ、汚職などが政権への批判材料となってきた。野党からは「強権的統治の弊害」との声もあり、政権継続の一方で改革期待が根強いことが明らかとなった。

次期任期7年において、ビヤ政権にとっては「世代交代論」「制度の民主化」「若年層の雇用促進」が主要課題となる。この長期政権継続の体制下で、どのように改革を進めるかがカメルーン国内および国際社会の関心を集める。