日本、核合意違反受けイラン関連資産を凍結

国際合意違反を理由に制裁再開が決定

日本政府は9月28日の閣議で、国連によるイラン制裁の復活を受け、経済制裁を再開することを決定した。今回の措置は、イランが2015年の核合意に違反したと認定されたことが背景にある。

再開される制裁では、核開発などに関与したとされる78の団体と43人の個人が対象に含まれる。これらの資産を凍結し、金融取引や資産の移動を制限することで、核関連活動の抑制を図る狙いがある。

制裁内容には、日本企業がイラン関連企業から投資を受けることを原則禁止する措置が盛り込まれた。加えて、核やミサイル開発に関わる資金の移転を防ぐため、関連取引を幅広く制限する方針も示された。輸入規制も強化され、関連品目の持ち込みは禁止される。

林芳正官房長官は29日の会見で「核不拡散体制は重大な岐路にある」と述べ、現状への強い危機感を示した。その上で「外交による解決を進めることが不可欠」との認識を示し、対話継続の必要性を強調した。

日本の制裁再開は、国連の決定に基づく国際的な動きの一環であり、今後の中東情勢や国際社会の不拡散体制に直接的な影響を与えることになる。経済制裁と外交交渉の両面で、国際社会の対応が注視されている。