プーチン大統領が延長の用意を表明
ロシアのプーチン大統領は22日、安全保障会議で米ロ核軍縮条約「新START」の期限切れ後も1年間、条約の制限を守る用意があると明らかにした。この延長案は、両国間に残る唯一の核軍縮条約を維持するための措置であり、アメリカが同様の行動を取ることを条件としている。
ワシントンからの初期反応
アメリカでは、レビット大統領報道官がプーチン氏の発言を「非常に良い」と歓迎した。ただし、最終的にどう対応するかはトランプ大統領の判断次第だ。トランプ氏はこれまでにも延長に前向きな姿勢を示しており、米ロ両国が歩調を合わせられるか注目されている。
軍事費負担と戦略的動機
ウクライナでの戦争が長期化し、ロシアの財政に大きな影響を及ぼしている中で、米国との核兵器競争を回避したいという現実的な思惑も透けて見える。プーチン大統領は、国際的な核不拡散体制の維持に資するとの立場を示しつつも、国内事情も背景にあることを隠していない。
米国の軍事計画に対するロシアの警戒
プーチン大統領は、アメリカが進めるミサイル防衛システムや宇宙空間での兵器配備計画に対し警戒感を示した。これらが核抑止の均衡を崩す可能性があるとし、状況次第では対抗措置を講じる用意があると強調した。
中国が示した支持の姿勢
中国政府もこの提案を支持する姿勢を示している。郭嘉昆報道官は米ロ双方に対し、法的拘束力を持ち、検証可能で不可逆的な形での核兵器削減を継続するべきだと呼びかけた。世界的な安全保障環境が揺らぐ中、米ロ中の3大国が軍縮をめぐる枠組みにどう向き合うかが試されている。