発表された米国の貿易統計
米商務省は7月の国際収支ベースの貿易統計を公表し、赤字額が783億1100万ドルとなったと発表した。前月と比較して32.5%の増加となり、2か月ぶりに赤字が拡大した。日本円に換算するとおよそ11兆6000億円となる。
米国の輸出増加鈍化と輸入拡大の実態
輸出は2804億6400万ドルで、伸び率は前月比0.3%と小幅にとどまった。一方で、輸入は3587億7500万ドルに増加し、5.9%の拡大を記録した。輸入の急増が貿易赤字の拡大を押し上げる要因となった。
中国との取引で赤字が急拡大
7月は中国との貿易赤字が特に拡大したことが目立った。対中赤字は171億1300万ドルに達し、前月比で80%の増加となった。6月には関税の影響で縮小していた赤字が、1か月で急拡大に転じた。
高関税措置の解除が影響
米中は5月に相互に115%の関税引き下げを実施することで合意しており、7月の統計に反映された。6月は依然として高関税の影響で貿易量が減少していたが、その後輸入が急速に回復し、中国が再び赤字国の首位に浮上した。
米経済への波及が注視される
今回の赤字拡大は、米中の貿易関係が国内経済に直接影響を及ぼす現実を浮き彫りにした。今後も米国の貿易収支は中国との関係改善や政策対応に大きく左右される可能性が高く、各方面の注目が集まっている。