首都での展開から広域派遣構想へ移行
ワシントンに展開されている約2,000人の州兵は、犯罪対策を目的とした動員とされる。トランプ大統領はこれを全国規模に拡大する構想を明らかにし、シカゴやニューヨーク、さらにボルティモアへの派遣を示唆した。治安問題を国家的課題に位置づける発言は注目を集めている。
各州指導者が反発姿勢を強めた影響
イリノイ州のプリツカー知事は23日、シカゴに緊急事態は存在せず、派遣計画は「正当性を欠く」と断言した。ニューヨーク市のジョンソン市長も、連絡なく進められる方針を批判。地方政府と連邦政府の対立構図が一段と際立っている。
ボルティモアをめぐる大統領と知事の対立
トランプ氏はボルティモアを「犯罪多発地域」と表現し、州兵を派遣するとSNSで言及した。これに対しムーア知事は「治安は改善傾向にある」と反論し、現地視察を大統領に提案した。治安情勢の認識をめぐり両者の主張は平行線をたどっている。
橋再建を交渉材料に用いる姿勢が判明
トランプ氏は、2024年3月に貨物船の衝突で崩落したボルティモアの橋再建についても発言。自らが拠出した資金を「再考せざるを得ない」と述べ、知事への圧力を強めた。インフラ支援を治安政策と結びつけた発言は、政治的思惑をにじませている。
銃器携行開始が首都の安全環境に影響
ワシントンに駐留する州兵の一部が銃器を携行し始めたことが報じられ、治安維持の枠を超えた強権的措置ではないかとの懸念が広がっている。市民生活への影響や警察権限との兼ね合いが、新たな議論を呼んでいる。