追加派遣を決定した南部州知事
共和党のモリシー知事は16日、トランプ政権の要請を受け、ウェストバージニア州から300~400人の州兵を派遣すると発表した。声明で「首都の誇りを取り戻す大統領の努力を支持する」と表明し、政権と歩調を合わせる姿勢を示した。
首都での警備状況が変化
11日の大統領令に基づき、首都警察は既に連邦政府の指揮下に置かれ、市街地には迷彩服姿の兵士が警戒に当たっている。今回の追加派遣で兵士の数は1100人以上に達する見込みで、市民生活への影響が一段と大きくなりつつある。
首都ワシントンで州兵派遣に反発する市民デモ拡大
同日、市内では1000人超のデモ参加者が集結し、ホワイトハウスに向けて行進した。参加者は「権利を奪うな」「ワシントンを解放せよ」と訴え、軍事的な対応に反発を強めている。一部は州兵に直接抗議したが、大規模な衝突は発生しなかった。
ワシントン当局が連邦の警察支配を法廷で争う方針
バウザー市長は犯罪件数の減少を強調し、「政権の主張は事実と異なる」と批判している。シュワルブ司法長官は州兵派遣と指揮権掌握の違法性を問う訴訟を連邦地裁に起こし、法廷での争いが始まった。司法判断が今後の事態収束に大きく影響を与える可能性がある。
政治的背景と今後の行方
ワシントンは民主党の支持基盤であり、共和党政権の強硬策は「支持者向けの演出」との見方も広がっている。州兵の武装化が進めば、抗議行動はさらに活発化し、全米に波及する恐れがある。首都の緊張は今後も収束の兆しを見せていない。