横浜でのTICAD、日本主導の経済圏構想を発表へ

アフリカ成長支援に向けた新たな枠組み

政府は、第9回アフリカ開発会議（TICAD）で、インドや中東諸国との協力を軸にした「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を提示する方向で準備を進めている。地域の経済統合を促進し、持続的成長の基盤を築く狙いがある。

この構想では、日本が主導して事業を提案する「オファー型ODA」が導入される。従来の要請型と異なり、日本側から積極的にプロジェクトを提示することで、インフラ開発や産業振興を迅速に実現する。

産学官が連携して自由貿易を推進する新たな協議体を設置する方針だ。これにより、企業間の交流や投資促進が活発化し、現地の雇用創出や技術移転にもつながると見込まれる。

アフリカでは中国が巨額の資金援助を通じて存在感を高めている。日本は質の高い経済協力を通じて、資源確保、防災支援、産業発展など幅広い分野で信頼関係を構築する戦略を取る。

会議では「経済」「社会」「平和と安定」を主要テーマとし、協力強化のための具体策を検討する。重要鉱物の安定供給や「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進も議題に含まれる見通しだ。