ウクライナ外交人事刷新、日本との関係強化狙う

笠原 美琴
经过

4か月の空白期間を経て新大使を任命

ウクライナのゼレンスキー大統領は、日本に駐在する新しい大使としてユーリ・ルトビノフ氏を指名した。駐日大使の職は2025年4月以降空席となっていたが、今回の人事により4か月ぶりに充足された。G7諸国の中で唯一不在だった点を踏まえ、戦略的な補充といえる。

日本で18年勤務、日本語に堪能な人材

ルトビノフ氏は、これまでに東京のウクライナ大使館で18年間勤務した経歴を持ち、日本語も高度に使いこなすことができる。公使参事官としての経験もあり、日本における政治・経済・文化の知識を蓄積している。長期の現地経験を活かし、今後の二国間関係において即戦力としての役割が期待されている。

欧州統合分野での政策実務にも精通

ウクライナの報道機関によると、ルトビノフ氏は2023年から大統領府にて欧州統合関連の職務を担当していた。外交的調整や国際交渉に関わってきた背景があり、日本との関係深化に向けた調整役としての資質も兼ね備えているとみられる。

ゼレンスキー政権が示した外交再編方針

ゼレンスキー大統領は、同日に計16人の新大使を任命。カナダやスペインなども対象に含まれており、SNSで「各大使には個別の任務と評価基準を提示した」と述べた。今回の外交人事は、政権が外交部門にも改革の手を加えている証左とされる。

日本との連携強化による支援獲得に期待

ウクライナでは新たにスビリデンコ首相による内閣が発足し、駐米大使には前副首相を起用するなど、各国との関係強化を目的とした人事が目立つ。特に日本はG7の一員として重要な支援国と位置づけられており、新たな大使を通じて経済的・軍事的な支援のさらなる拡充が期待されている。

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