多数アプリが同時停止 AWS障害で世界的通信網に混乱

井村 智規
经过

アマゾンのクラウド障害で広範囲な影響が判明

アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)で発生したシステム障害により、世界中の主要アプリやウェブサービスが同時にダウンした。
障害は米国東部地域のサーバー群から発生し、複数のネットワークに連鎖的に波及。
ユーザー報告サイトでは、北米、欧州、アジアの広い範囲で通信障害が確認された。

ゲーム・SNSに続き決済アプリにも影響拡大

今回の障害では、「フォートナイト」「クラッシュ・オブ・クラン」などのゲームが一斉に停止。
さらに、「スナップチャット」「アマゾン・プライム・ビデオ」「アレクサ」などの自社サービスも一時的に利用できなかった。
この混乱は、AWSのサーバーに依存するアプリが世界的にどれほど多いかを改めて示した。

金融取引や暗号資産市場にも一時混乱が発生

障害の波は金融業界にも及び、ロビンフッドやコインベースが取引不能に陥った。
暗号資産価格には大きな変動はなかったが、投資家の一部は「クラウド依存の危険性」を懸念。
また、AI検索企業パープレキシティのダウンも報告され、テクノロジー分野全体の信頼性に影を落とした。

復旧の進展と原因究明の行方

障害は約3時間続き、その後段階的にサービスが回復。
AWSはステータスページで「サービスの安定化が進行中」と説明したが、技術的な詳細や再発防止策は明示されていない。
クラウド市場の圧倒的なシェアを持つ同社に対し、透明性を求める声が高まっている。

世界が直面するクラウド集中リスクの教訓

今回の障害は、インターネットの中核を担うクラウドインフラの集中化が生むリスクを象徴した。
企業や公共機関は、今後マルチクラウドや分散化への転換を迫られる可能性が高い。
デジタル基盤の一極集中から脱することが、次の安全保障課題となりつつある。

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