中国向け半導体H20、米国が輸出再開を許可

長峰 詩花
经过

ホワイトハウス会談後に動きが発表

米半導体大手エヌビディアの中国向けAI半導体「H20」が、米政府から輸出再開の許可を得たことが報じられた。英紙フィナンシャル・タイムズによると、この決定はジェンスン・フアンCEOとトランプ大統領のホワイトハウス会談直後に米商務省が動いたことで実現した。

性能抑制モデルとして開発された背景

H20は米輸出規制を満たすため、中国市場向けに性能を一部制限して設計された半導体である。4月の規制強化により、軍事利用や先端計算用途への流出防止を目的として輸出には新たな許可が必要となり、一時的に供給が停止された。

申請から許可発行までの経緯

エヌビディアは7月時点で販売許可の取得に向け米政府と協議を進め、近く承認が得られると見込んでいた。今回の正式な許可発行は、同社にとって重要市場である中国での事業継続を確保する意味を持つ。

米中関係と半導体政策の狭間

米国は中国の先端技術開発に対する規制を強める一方、条件付きでの半導体供給を認めている。H20輸出の再開は、完全な技術遮断ではなく、管理下での取引継続を容認する方針の表れともいえる。

今後の市場への影響

許可取得によってH20の対中輸出が再開されれば、エヌビディアの収益改善や中国におけるAI分野の発展に波及する可能性がある。ただし、米中間の技術対立は継続するとみられ、企業の事業方針には依然として不透明感が残る。

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