XREALとグーグルの提携が示すAR技術の次段階

井村 智規
经过

ARメガネ型デバイスで日本の消費者市場に参入

中国の技術系スタートアップ「XREAL」は、7月24日に新型AR対応眼鏡「XREAL One Pro」を日本国内で販売開始すると発表した。同社はすでにアメリカやヨーロッパでも実績を積んでおり、日本市場はアジアでの新たな拠点と位置づけられている。

高精細な映像と低遅延処理でユーザー体験を強化

本機は独自開発の半導体チップを採用しており、映像の遅延を極限まで低減した。10メートルの距離に428インチの仮想スクリーンを投影できる機能が搭載されており、従来のスマートグラスとは一線を画す設計だ。スマートフォンや家庭用ゲーム機と直接接続しての利用も可能となっている。

周辺機器との連携で拡張性を追求

XREAL One Proは、専用のカメラモジュールを装着することで、撮影や映像記録といった機能が拡張される。これにより、エンターテインメントの枠を超えて、実用的な記録ツールとしての用途も期待されている。今後は企業での業務利用も検討される可能性がある。

次世代機種ではAIによる操作支援を導入予定

XREALのCEOである徐馳氏は、AR端末のさらなる進化に向けた計画も語った。米グーグルと連携し、AI機能を組み込んだ新モデルを現在開発中であり、2026年中に日本でも発売予定であるという。AIによるユーザー動作の予測や操作支援など、次世代のインターフェース構築が進められている。

世界市場を視野に入れた戦略的拡大が加速

拡張現実市場は、エンタメ・教育・ビジネス領域を横断する形で急成長を遂げている。XREALの日本市場参入は、アジア全域での事業拡大に向けた布石と考えられる。グーグルとの協業を武器に、同社が業界の先頭に立つ可能性も出てきた。

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