ホンダが示すベトナム拠点の成長と戦略的意義

早瀬 涼真
经过

累計4,000万台生産達成で記念式典を開催

ホンダのベトナム現地法人が1997年から進めてきたバイク生産が、2025年6月に累計4,000万台へ到達した。この節目を記念して、ハノイ郊外の生産拠点において式典が行われた。会場では4,000万台目の記念車が披露され、関係者の拍手に包まれた。今後は展示車として工場内に保存される予定である。

ベトナム市場における圧倒的なシェアが判明

ベトナム国内ではバイクが主要な交通手段であり、ホンダはその市場で8割以上のシェアを維持している。高温多湿な気候やインフラの特性に適応した製品供給によって、同社のブランドは一般層に深く浸透している。台数だけでなく市場影響力においても圧倒的な存在感を持つ。

現地政府が経済と雇用への貢献を評価

式典にはベトナム政府幹部や関連企業の関係者が多数出席し、同社の功績が称賛された。政府関係者は「ホンダは国家的なブランドのひとつ」と述べ、経済成長や雇用創出に対する寄与を強調した。現地経済における民間企業の役割として、ホンダの影響力は高く評価されている。

ホンダ幹部がアジア戦略の拠点と明言

ホンダ開発生産統括部長である塚本飛佳留氏は式典で、「ベトナムはアジアにおける最重要の製造拠点の一つ」と述べ、今後も戦略的拠点としての地位を強化していく意向を示した。世界展開を支える柱として、ベトナム工場の役割が再確認された。

地域密着型生産の持続可能性に注目

今回の節目は、単なる数量的達成にとどまらず、地域社会との共生を重視した生産モデルの成熟も示している。ホンダは今後もベトナム市場での生産・販売体制を維持しつつ、持続可能な成長モデルの構築を目指す方針だ。

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