立花孝志氏、名誉毀損で送検 「発言は争わず」と供述

笠原 美琴
经过

百条委員会委員だった元県議を巡る発言

政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)が、虚偽の発言で兵庫県議会元議員・竹内英明氏(当時50歳)の名誉を傷つけたとして、兵庫県警により逮捕・送検された。竹内氏は斎藤元彦知事の疑惑を調べる百条委員会の委員であり、県政不正調査の中心人物だった。

「警察取り調べ」発言と誤情報の拡散

立花氏は2024年12月の大阪府泉大津市長選に出馬した際、街頭で「警察に取り調べを受けている」と発言。今年1月には「明日逮捕される予定だった」とSNSに投稿した。県警は、こうした発信が事実無根の虚偽情報であり、竹内氏の社会的評価を著しく損なったと判断している。

妻が刑事告訴、県警が異例の立件

誹謗中傷が広がったことを受け、竹内氏の妻が2025年6月に刑事告訴。亡くなった人物に対する名誉毀損容疑での立件は極めて異例であり、県警は関係先を家宅捜索。立花氏の発言が虚偽であることを裏付ける証拠を収集した。県警幹部は「発信内容は事実無根で、真実と信じる理由もなかった」と述べた。

容疑者「発言は争わない」 発言意図を捜査へ

立花氏は「竹内氏に関して発言したことは争わない」と供述しており、今後は発言の意図や目的に焦点が当たる見通し。逮捕前には「違法性が阻却される根拠がある」と主張していたが、県警は逃亡や証拠隠滅の恐れを理由に身柄を拘束した。

政治活動への影響と社会的反響

立花氏は静岡県伊東市長選への出馬を予定していたが、逮捕により政治活動の継続が難しくなる可能性がある。虚偽情報による中傷が社会問題化する中、今回の事案は政治家の発言責任とSNS拡散の影響力を改めて問う形となった。

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