維新が改革姿勢を鮮明化 自民との信頼構築が焦点に

笠原 美琴
经过

政策合意の履行へ新たな枠組みを発足

自民党と日本維新の会は6日、連立政権合意に基づき政策実現を進めるための「与党実務者協議会」を立ち上げた。会合は国会内で開かれ、両党代表として井上信治幹事長代理と金村龍那幹事長代理が出席。維新が掲げる「副首都構想」や社会保障制度の見直しなどを含む5分野で協議体を設置し、来週から議論を開始することを決定した。

副首都構想や改憲を議題に改革を推進

協議体は、政治資金、選挙制度、憲法改正条文起草、社会保障改革、統治機構改革の5領域に分かれ、統治機構改革の中で副首都構想を扱う。維新は大阪を中心にした副首都構想を政権課題に位置づけており、これを連立政策の柱に据える姿勢を明確にした。井上氏は「一つ一つの政策を着実に前進させる」と述べ、金村氏も「協議の中で信頼を築くことが安定した政権の基盤になる」と強調した。

維新が主導する「改革連立」への期待

維新は、自民との連立により「改革実行型政権」を国民に印象づけたい考えだ。党の斎藤アレックス政調会長は会合前に「改革していく姿勢を示すことが国民への責任だ」と語り、政治資金透明化や憲法改正論議の加速など、具体的な成果を重視する姿勢を示した。新協議体の設置は、維新が政策実行に主体的に関与するための仕組みとして位置づけられる。

定数削減をめぐる緊張と課題

ただし、比例代表を念頭に置いた衆院定数の1割削減は、与党内でも意見が割れている。自民党内には「拙速な議論は避けるべきだ」との慎重論があり、維新との溝が課題となる。野党も反発しており、法案成立には超党派の合意形成が不可欠だ。連立発足から2週間余りで制度設計を整えたものの、実際の政策実現には調整が続く見通しである。

信頼構築が政権運営の安定要因に

両党は、協議の円滑な進行と政権の安定運営に向け、信頼関係の深化を最優先課題に掲げている。維新内部では「自民との協議が停滞すれば支持層への説明がつかない」との声もあり、実務レベルでの意思疎通が問われる局面だ。今後の協議進展が、連立政権の評価を左右する重要な試金石となる。

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