高市首相、食料品の消費税0%案を否定 物価高対策を優先

長峰 詩花
经过

立民提案の消費減税に慎重姿勢を示す

高市早苗首相は5日の衆院本会議で、立憲民主党が物価高対策として掲げた食料品の消費税率0%への時限的引き下げ案に否定的な立場を明らかにした。高市首相は「事業者のレジシステム改修に一定の期間を要する」と述べ、実施には課題が多いとの見解を示した。消費税率の変更による混乱や準備期間の必要性を理由に、現時点での実施は適切でないと判断した。

労働時間規制緩和は「実態に即した議論」

一方で、労働時間規制の緩和に関しては、上野賢一郎厚生労働相に検討を指示した上で、「働き方の実態とニーズを踏まえて検討を深めるべきだ」と発言した。高市首相は、柔軟な働き方の選択を支援しつつも、過重労働や健康への影響を避ける必要性を強調。労働政策の見直しに当たっては、幅広い意見を取り入れる姿勢を示した。

衆院解散を否定 「今は経済対策に集中」

年内の衆院解散・総選挙の可能性を問われた高市首相は、「急ぐべきは物価高対策だ」と述べ、現時点で解散を検討する余地はないと明言した。経済政策の推進を優先し、約束した政策を「一つずつ着実に実行することが重要だ」との考えを示した。物価上昇が続く中、政府は家計支援や賃上げ策の実現に注力する方針を改めて示した。

拉致問題「私の代で突破口を開く」

外交・安全保障分野では、北朝鮮による日本人拉致問題に関し、「あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても解決を図る」と強い決意を表明した。長年膠着している問題への突破口を開くため、政府内での連携強化と国際社会との協調を進める方針を強調した。

政治資金問題で謝罪「混乱を招いた」

また、自民党派閥のパーティー収入不記載問題をめぐる佐藤啓官房副長官の起用に対し、野党から批判が相次いだ。高市首相は「国会運営に混乱をきたし、真摯におわび申し上げる」と陳謝。信頼回復に向けて、政治資金の透明性を高める方針を示した。

この記事をシェア