トランプ大統領と高市首相、空母上で日米同盟の強固さを誇示

井村 智規
经过

横須賀基地で両首脳が共同演説を実施

米国のトランプ大統領と日本の高市早苗首相は28日、神奈川県の米海軍横須賀基地を訪れ、停泊中の原子力空母ジョージ・ワシントン上で演説を行った。両首脳はそろって大統領専用ヘリ「マリーンワン」で到着し、在日米軍および自衛隊の隊員を前に、日米同盟の結束を強調した。演説会場となった空母の格納庫には米兵約6,000人と自衛隊員約230人が集まり、トランプ氏が登場すると「USA」コールが沸き起こるなど、熱気に包まれた。

トランプ氏「日米関係は世界で最も注目すべき」

トランプ大統領は演説で、日米同盟を「世界で最も注目すべき関係の一つ」と称し、「太平洋地域の平和と安全を支える基盤だ」と語った。また、「この美しい国に駐留する米海軍兵士を代表して、自衛隊と日本国民に感謝する」と述べ、両国の協力関係を称賛した。さらに「力による平和」を外交・安全保障政策の基本に据える姿勢を改めて示し、米国の抑止力と存在感を維持する決意を表明した。

高市首相「最も偉大な日米同盟をさらに高みに」

トランプ氏の後に登壇した高市首相は、「トランプ氏と共に最も偉大な日米同盟をさらなる高みに引き上げる」と述べ、両国関係の強化に意欲を示した。また、「平和は決意と行動で守られる」と強調し、東アジアの緊張が高まる中で防衛力を抜本的に強化する方針を改めて訴えた。女性首相として初めて米空母上で演説した高市氏の発言には、会場から大きな拍手が送られた。

米国防長官「抑止力の再構築が目的」

演説に先立ち登壇したヘグセス米国防長官は、「力による平和の理念とは、抑止力の再構築を意味する」と説明。日米同盟の強化が地域の安定に不可欠であると述べた。これにより、トランプ政権が掲げる安全保障戦略が日米間で共有されていることを明確に示した形だ。今回の訪問は、トランプ政権の対アジア政策の中でも象徴的な出来事と位置づけられている。

同盟深化へ向けた象徴的な演出

日米両首脳が空母上で並び立つ姿は、軍事・外交両面での結束を世界に示す演出とみられる。特に東シナ海や南シナ海の安全保障環境が緊迫する中、米国と日本が共同で抑止力を高める意志を示す場となった。政府関係者は「日米同盟の連携が今後さらに強化されることを内外に明確にした」と述べている。

この記事をシェア