自民総裁選、経済政策と改憲で候補者の立場が浮上

井村 智規
经过

物価高騰を受けた候補者の発言

自民党総裁選は22日に告示され、5人の候補が政策を競い合っている。焦点となるのは国民生活を直撃する物価高であり、候補者たちはそれぞれ異なる対策を提示した。現金給付や消費税減税といった既存の公約や野党案には言及を避け、独自性を前面に打ち出した点が特徴である。

各候補の経済政策が発表

小林鷹之氏は現役世代を中心に所得増を図る税制改革を提示し、実施までの間は定率減税を上限付きで導入するとした。茂木敏充氏は地方の裁量を高める生活支援交付金を新設し、平均年収を3年間で50万円上昇させると述べた。林芳正氏は中低所得者支援のため「日本版ユニバーサルクレジット」の導入を提案し、実質賃金を1%上昇させる方針を示した。小泉進次郎氏はガソリン税の暫定税率廃止や基礎控除見直しを挙げ、幅広い協議を行う姿勢を示した。高市早苗氏は給付付き税額控除を掲げ、財政出動のための赤字国債増発に触れた。

党の刷新をめぐる論戦が展開

党改革では、小林氏が若い力の台頭を訴える一方、茂木氏は女性や若手の積極登用を表明した。林氏は「ゼロからの再建」をスローガンに、デジタル発信強化を強調。高市氏は北欧諸国並みの女性参画を示し、幅広い世代の総力戦で党を立て直すと語った。小泉氏は期数にとらわれない役割分担を呼び掛け、組織運営の在り方に踏み込んだ。

外国人政策と治安の観点からの発表

公開討論会では外国人問題も取り上げられた。5候補はいずれもルールを守らない外国人に厳しく対応する方針を示した。小泉氏は政府内の調整力を強化して年内に行動計画をまとめるとした。林氏も「不公平な仕組みをなくす」と述べた。

改憲議論が選挙戦の中心に浮上

憲法改正については、高市氏が自衛隊の存在を明記する憲法改正を最優先に掲げ、小林氏も総裁任期中に改憲発議を行うとした。小泉氏は「自ら先頭に立つ」と強調し、改憲を争点化した。石破茂首相は「政策を継承する人物が選ばれるべきだ」と述べ、林氏や小泉氏を後継候補として意識しているとみられる。

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