敗因分析における情報環境の影響
自民党は9月2日、参院選での大敗を受け総括報告書を公表した。報告書は従来の支持基盤が縮小したことに加え、SNS上の誤情報拡散や外国製Botによる介入が選挙戦を大きく揺るがしたと強調した。
誤情報対応の不備を反省
報告書は「ネット上のデマや切り抜き動画への対応が遅れた」と認め、党として反論や事実確認の仕組みが整っていなかったと分析した。その結果、YouTubeやXでネガティブ情報が広まり、支持層離れを加速させたとした。
外国製Botによる影響を指摘
報告書は初めて「情報戦の標的になった」と明記した。特定の政治目的を持つBotが自動投稿を繰り返し、党への逆風を強めたとした。これが有権者の誤認を誘発し、民主主義の根幹を脅かす事態だと位置づけた。
SNS規制を巡る議論の余地
「表現の自由を損なわない範囲での対応強化」が必要と報告書は記したが、SNS規制に発展する可能性も指摘されている。これに対し政府は8月、「SNS統制は実施していない」との見解を示し、今後の議論の行方が注目される。
党再生へ組織改革を推進
自民党は改善策として、政策を分かりやすく伝える仕組みやSNS発信力の向上を掲げた。石破首相を含む執行部の責任には触れず、「解党的出直し」で国民政党として再生する方針を示した。