参院選敗北受け自民党四役辞任、総裁選前倒し論加速

長峰 詩花
经过

政局を揺るがす辞任ドミノが発生

自民党は9月2日、参院選での大敗を受け、政権運営に大きな波紋を広げる事態に直面した。森山裕幹事長が両院議員総会で辞意を表明し、小野寺五典政調会長、鈴木俊一総務会長、木原誠二選対委員長の3人も相次いで辞意を伝達したのである。党を支える主要メンバーの同時辞任は、政局全体を揺さぶる大きな衝撃となった。

森山氏「幹事長の責任」と説明が判明

総会後の記者会見で、森山幹事長は「参院選の責任者は幹事長である私だ」と述べ、辞任の理由を明らかにした。進退については「総裁に預ける」と語り、最終判断を石破首相に委ねる姿勢を示した。さらに、小野寺政調会長も「政策の責任者として辞任すべきだ」と発言し、責任の所在を明確にした。

石破首相「全力を尽くす」と続投を発表

こうした中、石破茂首相は続投を強調した。総会冒頭では「国民のためにやるべきことを優先する」と発言し、辞任を否定した。ただし、政権を支える四役が一斉に身を引く決断をしたことは首相にとって大きな打撃であり、党内での求心力低下は避けられない状況となっている。

総裁選前倒しの是非を問う手続きが開始

自民党総裁選挙管理委員会は、総裁選の実施時期を前倒しするかどうかについて、議員と都道府県連に意見を求める手続きを開始した。議員は9月8日午前10時から午後3時まで、各都道府県連は同日午後3時までに書面を提出することとされた。前倒し支持が多数となれば、石破政権は総裁選を経て新たな体制への移行を迫られる見通しだ。

自民党の再建を巡る課題と展望

参院選総括文書では、物価高や「政治とカネ」の問題が敗因とされた。首相個人の責任には触れられなかったが、党内では「解党的出直し」を求める声も出ている。石破首相は「同志を失った責任は私にある」と謝罪しつつも、「しかるべき時期に決断する」と述べ、進退を曖昧にしたままである。自民党は今、党の再建と政権の安定を両立できるかが問われている。

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