地方活性化施策の説明中に波紋呼ぶ発言
2025年7月8日、和歌山市で行われた参院選の応援演説において、自民党の鶴保庸介参院予算委員長が語った発言が、政界に波紋を広げつつある。演説中、二拠点居住の重要性に触れる中で「能登で地震が起きたのは幸運だった」と述べたことで、各方面からの反発が懸念されている。
災害を行政施策の追い風と表現
鶴保氏の発言は、能登半島地震後に住民票の写し取得が容易になったことを例に、地方移住の制度整備が進んだとする趣旨であった。しかし、自然災害を結果的に肯定するような言い回しが、被災者感情への配慮を欠いているとして問題視されつつある。
発言の背景に制度改善への自負
演説全体では、国土の均衡ある発展を目的とした居住支援や、若者の地方移住促進を説明していた。鶴保氏は、総務省が関連制度に積極的に取り組んできた経緯を紹介し、和歌山を活用拠点とする「関係人口」政策の推進に意欲を見せていた。
現場には石破首相も参加予定
この日、現地には石破茂首相も参院選候補の応援に訪れていたが、鶴保氏の発言があった時間には未到着だった。そのため、首相自身は発言を直接確認していないとみられるが、今後の対応によっては党内の空気にも影響を与える可能性がある。
発言余波が与党に及ぼす影響
参院選を目前に控える中、政権与党の幹部による軽率な発言は、候補者全体への逆風となる恐れがある。特に震災被災地の支援を重視する世論の中では、選挙戦の争点に発展する可能性も否定できない。党としての説明責任が問われる局面を迎えている。