政府が危機感 自動車業界支援に前向きな姿勢
政府は、アメリカの自動車関税強化による日本国内産業への影響を懸念している。武藤経済産業大臣は、1日の記者会見で「すでに企業に影響が出始めている」と明言し、状況に応じて支援策を拡充する可能性を示唆した。
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アメリカ側の主張「日本は輸入を抑制している」
アメリカのトランプ大統領は、6月29日に放送されたテレビ番組で、日本市場におけるアメリカ車の販売が少ないことを不公平と断じた。輸出入の非対称性を問題視し、強硬姿勢を維持しており、今後の交渉での歩み寄りは困難とみられる。
相談件数が増加 現場からの悲鳴が浮き彫りに
経済産業省の発表によると、国内に設置された相談窓口には1か月足らずで4,000件を超える問い合わせが寄せられている。中小の部品メーカーを中心に、生産計画の見直しや米国向け事業の縮小を検討する動きが見られる。
政策判断の鍵は「国内影響の見極め」に
武藤大臣は、相談内容や産業の実情を注視した上で「必要があれば、ためらうことなく追加の対応を行う」と語った。影響の度合いによっては、資金支援や税制措置などの緊急的対策が具体化する可能性がある。
経済安保と産業政策の交差点に立つ日本政府
日米交渉は単なる通商問題にとどまらず、経済安全保障や産業戦略にも深く関わっている。政府は、自動車を含む製造業の競争力を守ると同時に、米国との協調関係も維持する必要に迫られている。