トランプ氏と関税再協議へ、日米の思惑交錯

米関税措置の見直しへ日米会談が本格化

石破首相はG7サミット出席のため、6月15日にカナダ・カルガリーに到着した。滞在中にはトランプ米大統領との個別会談を予定しており、焦点は米国が主導する関税措置の再評価にある。首相はこの協議について、「双方に利益ある合意を目指す」として意欲を示している。

出国前の記者会見で石破首相は、中東と東欧の情勢に強い危機感を示した。「イスラエルとイラン、ウクライナを巡る状況は非常に不安定だ」と述べ、日本としても国際的責任を果たす考えを強調した。こうした状況下でG7の結束を最優先事項と位置づけた。

今回のG7は石破首相にとって初めての出席であり、世界各国の首脳と直接向き合う重要な機会となる。新たな外交スタンスの確立に向けた初舞台として、今後の政権運営にも影響を与えることが予想される。

トランプ氏との交渉は、日米通商関係における今後の方向性を占う場となる。米国の保護主義的な姿勢に対し、日本がいかに歩み寄りを図るかが焦点であり、経済だけでなく安全保障にも関わる重要な会談だ。

石破首相のカナダ訪問は、日本が多国間協調の中でいかにリーダーシップを発揮するかを問う試練でもある。G7という枠組みを通じて、国際秩序の安定と経済の自由化に向けた積極的な関与が期待されている。