ソフトバンクG、純利益過去最高 AI投資で収益拡大

井村 智規
经过

生成AI関連投資が業績を押し上げ

ソフトバンクグループ(SBG)は2025年9月中間連結決算で純利益2兆9240億円を計上し、前年同期比2.9倍の過去最高益を達成した。売上高も3兆7368億円と前年を上回った。主な要因は、米オープンAIへの出資を中心とした生成AI関連事業の収益拡大で、投資益は2兆1563億円に達した。

オープンAIへの追加投資を表明

東京都内で会見した後藤芳光CFOは、「オープンAIは最も優位な立場にある」と述べ、さらなる成長に自信を示した。SBGは今後300億ドル(約4兆6000億円)を追加投資する計画で、既存資産の一部を売却して資金を充てる。10月には米エヌビディア株を約58億3000万ドルで全株売却しており、その資金も活用される見通しだ。

AI市場の変動で先行きに不透明感

一方で、世界的なAI関連株の上昇が一服し、投資資産の評価損リスクが浮上している。特にエヌビディアなど主要銘柄の調整局面が続いており、SBGの収益にも影響する可能性がある。アナリストの間では、「AI事業の商業化が進む26年以降の収益拡大が鍵」との見方が出ている。

資金調達を強化 劣後債発行も拡大

SBGは「スターゲート構想」の実現に向け、今後4年間で最大5,000億ドルを投資する方針を掲げている。そのため社債発行を積極化し、10月にはドル建て・ユーロ建て合わせて4,300億円超の劣後債を発行。2025年の国内社債発行額は8,200億円と日本企業で最大規模となった。金利上昇の影響でクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)も上昇し、リスクプレミアムが拡大している。

株価は急伸後に調整局面へ

SBG株は年初来で約2.5倍に上昇し、時価総額は30兆円を突破して三菱UFJフィナンシャル・グループを抜き国内2位に浮上した。9月にはトヨタ自動車との差を約10兆円まで縮めたが、10月下旬以降は急落し、一時2割の下落となった。市場ではボラティリティが上昇する中でも、「AI投資の収益化が進めば再上昇の余地がある」との声もある。

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