FRB据え置きで米市場混乱、ドル高と素材株安が鮮明

笠原 美琴
经过

政策金利据え置きが市場に波及

米連邦準備理事会(FRB)は29~30日のFOMCで4.25~4.50%の政策金利を据え置き、5会合連続の維持となった。声明は「労働市場は堅調で失業率は低水準を保つ一方、インフレはやや高止まりしている」との認識を示した。

利回り上昇とドル高の進展

パウエル議長が「9月の利下げ判断は時期尚早」と発言したことが材料視され、10年国債利回りは4.372%、2年債利回りは3.932%に上昇した。外為市場ではドル買いが進み、ユーロは1.1418ドルと6月以来の安値、ドル/円は149.29円まで上昇した。

株式市場の反応と関税措置の影響

株式市場ではダウとS&P500がともに下落した。トランプ大統領が銅輸入に50%関税を課す署名を行ったことが素材株売りを誘発し、素材セクターは2%安、フリーポート・マクモランは9.5%急落した。

金・原油市場の動き

金先物は米GDPの好調を背景に利下げ観測が後退し、1オンス=3352.80ドルに下落した。一方で、ロシア制裁への懸念が支援材料となり、WTI原油は1バレル=70.00ドルまで上昇した。

個別銘柄と時間外取引

引け後に発表されたマイクロソフトとメタの決算は市場予想を上回り、時間外取引で両社の株価は6%超の上昇を記録した。利下げ期待の後退と企業業績の明暗が市場に混在する展開となった。

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