日本のQRコード仕様に初の国際接続事例
日本国内のQRコード決済に、カンボジアの決済システムが統合されることが明らかになった。キャッシュレス推進協議会とカンボジア国立銀行が7月4日に連携協定を発表したもので、日本の統一規格とカンボジアの仕様を接続する。これにより、カンボジア発の決済サービスが日本で機能することになる。
決済インフラの実証拠点としての万博活用
初期導入は7月5日に始まり、大阪・関西万博に設置されるカンボジアの展示ゾーンや万博内の販売施設が対象となる。導入後は他の商業エリアへの展開も計画されており、万博は国際決済連携の試験的な導入場所として活用される。カンボジアからの来場者は、普段使っている決済アプリで日本でも支払えるため、利便性の向上が見込まれる。
東南アジアの他国とも導入調整中
今回の協定は、カンボジアを皮切りにインドネシアなど東南アジア諸国との接続を見据えた第一歩でもある。これにより、アジア圏からの旅行者が、日本で自国のアプリやサービスをそのまま使える環境が整う可能性がある。国際観光政策とデジタル化の融合が進められている状況だ。
利用者にとっての仕組みと操作性
連携された決済手段では、ユーザーが自分のスマートフォンから店舗のQRコードを読み取り、金額を入力して送金する仕組みが採用されている。日本国内の加盟店側では、専用端末やアプリ改修などの追加対応なしに決済を受け付けられるため、導入側の負担も少ない。
観光統計と相互利用の将来展望
日本政府観光局が公表した統計によれば、2024年にカンボジアから日本を訪れた外国人旅行者は27,314人だった。今回の取り組みは、その旅行者層に向けた環境整備の一環とされ、今後は日本側のQRコード決済がカンボジアでも使えるようになる見通しだ。双方向での利便性向上が見込まれる。