自動車税制改正を巡る与党の判断
2026年度税制改正の柱の一つとして、自動車関連税制の見直しが位置づけられている。自民党税制調査会は12月16日の会合で、燃費性能に応じた税制優遇策を中心とする改正案を了承し、最終的な対応を会長に一任した。自動車の普及状況や財政への影響を踏まえ、制度の継続と見直しを同時に進める判断となった。
エコカー減税の延長と基準引き上げ
燃費基準を満たす車両の自動車重量税を軽減するエコカー減税は、期限を2年間延長する方針が示された。一方で、減税対象となる燃費基準は従来より厳しく設定される。これにより、環境性能に優れた車両への重点的な支援を維持しつつ、制度の対象を絞り込む形となる。
環境性能割の停止と国の補填措置
車の購入時に燃費性能に応じて課される地方税の環境性能割については、2026年度から2年間停止される。地方自治体の税収減少を防ぐため、減収分は全額を国費で補填する異例の対応が取られる。消費者負担の軽減と地域財政の安定を両立させる狙いがある。
EV課税の新たな枠組み検討
電気自動車に対しては、車両重量に応じた税負担を求める新たな仕組みが検討されている。自動車重量税に特例的な加算を設ける方向で、導入時期は2028年以降を想定する。ガソリン車との公平性や道路への影響を考慮した制度設計が課題となる。
税制全体の見直しが示す方向性
今回の改正案は、環境対応と税の公平性を両立させる姿勢を示している。優遇措置の継続と引き締めを同時に進めることで、次世代車の普及と財源確保を図る構えだ。自動車を巡る税制は今後も段階的な調整が続く見通しとなっている。
