インバウンド効果で税収増 法人所得4年連続で最高更新

笠原 美琴
经过

国税庁が2024年度法人税データを発表

国税庁は30日、2024年度の申告法人税額が18兆7139億円となり、バブル期の最高額を上回ったと発表した。前年度比7.6%増で、申告所得額も102兆3381億円に達し、4年連続の過去最高となった。経済全体の持ち直しが企業業績の改善に反映された形だ。

黒字企業が増加 経済回復の兆し

2024年度の申告件数は322万件で、うち黒字申告は117万5000件と前年度比3万2000件増。法人全体の約3分の1が黒字決算となった。国税庁は、コロナ禍後の経済再生や国内消費の拡大が収益改善を後押ししたと説明している。

業種別では観光・飲食業が急伸

最も高い伸びを示したのは「料理・旅館・飲食店業」で、申告所得が38.5%増の1兆3326億円となった。訪日外国人客の増加による観光需要の高まりが顕著に現れた。一方、「製造業」は依然として29兆218億円と最大規模を維持したが、前年より5.6%減となった。

税率引き下げ後も高水準維持

法人税の基本税率は23.2%に引き下げられており、バブル期の40%に比べて大幅に低い。しかし、企業の利益水準の向上により税収は過去最高を更新。税率低下と税収増加の両立は、企業活動の広がりと景気回復の象徴といえる。

今後の課題は業種格差と景気変動

全体として税収は堅調だが、業種ごとの温度差が課題として残る。観光関連が成長を続ける一方、製造業の落ち込みは外需依存型経済のリスクを示している。今後も経済動向と税制改革の影響が注視される。

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