経営陣主導のMBOが長期化
太平洋工業による経営陣主導のMBO(マネジメント・バイアウト)が、想定以上に難航している。7月の公表以降、株式公開買い付け(TOB)は当初の期限を2度にわたり延長し、現在は10月23日まで応募を受け付けている。買付価格は1株2050円に据え置かれている。
投資ファンドが保有を拡大
エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが太平洋工業株を12.49%まで買い増したことが16日に明らかになった。関東財務局への報告書で確認され、旧村上ファンド系として知られる同社の動きが市場の注目を集めている。
市場では買収価格を超える株価水準
16日の終値は2563円と、TOB価格を500円以上上回る水準にある。市場関係者の間では、TOB成立の難しさを指摘する声が強まっており、応募株主の動向が今後の展開を左右する。
経営陣の狙いと市場の評価
経営陣は非公開化を通じ、研究開発投資や事業構造の見直しを柔軟に進めたい意向を示している。しかし、外部株主の思惑買いや短期的な利益確定の動きが加わり、MBO計画は一層複雑化している。
MBOの行方、23日の期限が焦点に
TOBの応募期限である10月23日が迫る中、最終的な成否は依然として不透明だ。株価と買付価格の乖離が続く限り、経営陣の思惑が実を結ぶかは市場の判断に委ねられている。