暫定税率廃止協議で自民が増税例示、立憲は反発

年1兆円の減収見込みが議論の焦点に

ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止に関する協議が10月1日、自民、公明、立憲民主の3党の間で行われた。廃止が実現した場合、年間約1兆円の税収減が生じるとされ、その財源確保が最大の課題となっている。

協議の席上、自民党は財源の例として法人税優遇措置の見直しや金融所得課税、自動車関連税の引き上げを示した。ただし、与党の正式な案ではなく、今後の協議で議題に上る可能性があると説明された。

協議後、立憲民主党税制調査会長の重徳和彦は、自民の姿勢に懸念を示した。重徳氏は「減税を全額増税で相殺する発想は妥当ではない」と発言し、税収の自然増加分の活用を検討すべきと訴えた。

法人税や金融所得課税の引き上げは企業活動や市場への影響が大きく、与党内でも意見の隔たりが残る。さらに、自動車関連税の増税は消費者負担の増加を招く可能性があり、世論の反応も注視されている。

今回の会合では、具体的な引き上げ幅や時期は示されなかった。各党の立場が対立する中で、今後も複数の選択肢を軸に調整が行われる見通しである。