2年ぶり低水準の金利に引き下げ
オーストラリア準備銀行は8月12日、政策金利を0.25ポイント引き下げ3.60%とすることを決定した。これにより金利は約2年ぶりの低水準となり、景気の下支えを目的とした金融緩和姿勢が鮮明になった。
物価安定と雇用情勢の変化が背景
今回の利下げは、物価上昇の鈍化と雇用環境のやや悪化が背景にある。CPI上昇率は前年同期比2.1%と、4期連続で目標範囲内に収まっており、インフレ圧力は後退している。
慎重姿勢を維持しつつ追加緩和も視野
声明では、不確実性が高まっている需給両面の状況を踏まえ、慎重な政策運営を継続するとした。一方で、インフレと雇用の目標達成のためにはさらなる緩和が必要になる可能性を示した。
市場は年内追加利下げを織り込み
為替市場では豪ドルがわずかに値を下げ、国債先物は一時的に反発した。市場関係者の間では、年内に追加の利下げが行われるとの見方が強まり、11月の実施を予測する声が出ている。
経済専門家の見解が分かれる
一部のエコノミストは今回の利下げを「失業拡大に対する適切な対応」と評価する一方、緩やかな金融緩和で十分とする意見も根強い。今後の政策判断は、雇用統計や物価動向が左右する見通しだ。