女性初の財務相、片山さつき氏が新方針を表明

宇津木 柊
经过

官僚出身の実務派が財務省トップに復帰

片山さつき氏が21日、女性として初めて財務相に就任した。旧大蔵省時代に主計官として20年以上勤務した経歴を持つ片山氏は、「いつかは財務省に戻ると思っていた。戻るなら大臣で」と語り、感慨をあらわにした。高市早苗首相のもとで発足した新政権は、積極財政を柱とする政策転換を進める。

「責任ある積極財政」で成長重視の姿勢を強調

片山氏は就任会見で、「責任ある積極財政を掲げ、経済を力強く成長させる」と強調した。高市首相の経済政策と足並みをそろえ、財政出動を通じて景気の底上げを図る構えだ。財政規律と成長促進の両立という難題に挑む姿勢を明確にした。

租特・補助金見直しと財源再構築の意向

自民党と維新の連立合意では、租税特別措置や高額補助金の総点検が掲げられている。片山氏はこれを踏まえ、効果の薄い制度の廃止と財源の再構築に着手する方針を示した。これにより、物価高是正策やガソリン減税の財源確保を進める見通しである。

社会保険料負担軽減へ税制設計を検討

高市首相の指示を受け、片山氏は給付付き税額控除の導入準備を進める。これは中低所得層の社会保険料負担を緩和する狙いがあり、税と社会保障を一体的に見直す取り組みの一環だ。経済成長の果実を広く社会に還元する仕組みづくりが求められる。

為替・金融政策には慎重な対応を維持

為替については「安定的な推移が望ましい」と述べるにとどめ、円安の是非には触れなかった。日銀の政策運営にも言及を避け、政府と金融当局の連携に配慮する姿勢を見せた。官僚出身の片山氏らしい冷静な判断で、経済政策の舵取りが注目されている。

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