外国人旅行者が7月として過去最多を更新
7月に日本を訪れた外国人旅行者は343万7000人と、日本政府観光局が発表した。前年同月比では4.4%の増加を示し、7月として過去最多となった。観光需要は堅調に推移しているものの、前年からの伸び幅は限定的となった。
中国が最多 韓国と台湾が続く
訪問者の国別では、中国が約97万人と突出しており、最大の市場となった。次いで韓国が67万人、台湾が60万人で、東アジア地域からの流入が全体を支えている。こうした構図はこれまでと同様で、日本観光における主力層の安定性を示している。
香港や韓国からの減少傾向が顕著
一方で、香港からの旅行者は36.9%減少、韓国も10.4%減少するなど、マイナスの動きも確認された。全体として増加を維持したが、特定地域の落ち込みが全体の伸び率を押し下げた。
SNSの根拠なき情報が旅行控えに直結
旅行者数の伸び率が鈍化した背景には、SNS上で広まった「夏に日本で大災害が発生する」という風評があるとされる。観光局はこれを科学的根拠のないものと強調したが、渡航判断に影響を与えたことは否めない。
観光市場の成長持続に向けた課題
今年前半までの訪日客数は史上最速で2000万人突破を達成していたが、今回の事例は風評被害が観光市場に及ぼす脆弱性を浮き彫りにした。観光局は引き続き「正確な情報発信を強化する」としており、信頼性ある対策が求められている。