消費者の家計を直撃していた米価に変化
物価上昇の象徴ともされてきたコメ価格に、ようやく抑制の動きが見えてきた。農林水産省の発表により、全国平均価格が再び下落傾向にあることが明らかとなった。
初の大幅下落、記録更新の動きに
6月9日〜15日のデータによれば、全国平均で5kgあたり3,920円と、前週から256円の下落を記録。これは2022年の調査開始以降で最大の週次下落幅となった。4週連続の値下がりも確認され、価格高騰の流れに大きな変化が生まれている。
ブレンド米の普及と備蓄米流通が奏功
価格抑制の直接的な要因として、政府が保有する備蓄米の市場放出が挙げられる。また、ブレンド米の種類が増えたことで流通の選択肢が広がり、消費者の手の届く価格帯が増加したことも背景にある。流通構造自体に変化が生じていることを示している。
小泉農相「本格的な沈静化はこれから」
農相・小泉氏は23日、報道陣に対し「異常な高騰の終わりの始まりであり、まだ気を緩める段階ではない」と述べた。コメ価格の動向は家計への影響が大きく、継続的な政策実行が求められるとした。
構造的な価格安定への移行が課題
今回の価格変動は一時的な措置の結果とも言え、構造的な需給バランスの是正が今後の焦点となる。長期的視点に立った農政の展開が求められている。