ツルハとウエルシア統合で国内最大規模へ進展

宇津木 柊
经过

統合の枠組みが判明

ツルハホールディングスがウエルシアホールディングスの全株式を取得し、2025年12月1日に経営統合を発表した。両社は流通大手イオンの関連企業として協力関係を築いてきたが、今回の統合により売上規模は2兆円を超える体制となった。会見は東京都内で行われ、イオンも出席し統合後の運営方針を示した。新体制によって国内ドラッグストア市場での競争力をさらに高める姿勢が示された。

経営体制再構築の動きが判明

統合はツルハがウエルシア株をすべて取得する形で行われ、ウエルシアは上場廃止となった。これにより業界2位だったツルハがウエルシアを完全子会社化し、業界最大規模の企業構造が形成された。今後、イオンは公開買い付けによってツルハ株式の過半を取得し、ツルハをグループの重要な柱として位置づける計画を明らかにした。この再編は、流通グループとしての体制強化を図る狙いがある。

調達改革の進展が判明

統合後は商品調達の一本化を進め、価格交渉や供給体制の効率化を図る方針が示された。また物流網の改善も重点分野となり、共同輸送体制を活用したコスト削減に取り組むとされた。さらに、プライベートブランドの開発力強化も掲げられ、消費者の需要変化に応じた商品投入を加速させる計画が発表された。こうした施策は企業規模拡大による相乗効果を高めるものと位置づけられている。

海外事業方針の詳細が発表

海外戦略では東南アジアを中心とした出店加速を掲げ、イオンが持つ海外拠点を活用する方針が説明された。統合企業は国内で約5600店舗、従業員約11万6000人の規模となり、海外市場でも存在感を強める体制を整えるとしている。日本で培った健康支援の知識や店舗運営手法を海外に展開し、グローバルな競争環境での成長を目指す姿勢が示された。

将来目標の影響が判明

統合企業は2032年までに売上3兆円の達成を目標に掲げ、国内外での営業基盤拡大を進める。ツルハの鶴羽順社長は会見で、全国の店舗網を活用した新しいドラッグストアモデルの確立に意欲を示した。また介護関連分野でも強みを発揮する方針が述べられ、幅広い分野での事業展開が期待される形となった。

この記事をシェア