収入構造の変化が示された状況
NHKは2025年4〜9月期の決算を公表し、事業全体の収入構造に変化が生じていることが明らかになった。期間中の事業収入は3,064億円となり、前年同期と比べて小幅ながら減少した。収入の中心となる受信料は2,927億円と前年から減り、6年連続のマイナスを記録した。契約世帯数の減少が続いており、受信料収入の下落傾向が止まらない状況が浮き彫りになった。
契約件数の減少が続く要因が判明
受信契約件数は前年同期比で24万件減り、4,043万件となった。2019年度末に4,212万件でピークを迎えて以降、契約数は下落基調が続いている。NHKは背景としてテレビ所有率の低下や生活費上昇を挙げており、契約解除や未加入の増加につながっていると説明している。また、全額免除対象となる世帯の増加も契約数の目減りに影響を与えている。
未収件数が増加した影響が拡大
受信料を契約していながら支払っていない未収件数は177万件に達し、前年から増加した。支払率は77%にとどまり、改善が進んでいない。未収件数の増加は収入面に直結する問題であり、NHKの財務運営における課題として鮮明になった。10月以降は督促の強化を掲げ、収入確保に向けた対応を取る方針が示されている。
収支の改善と通期赤字の見通しが発表
決算では、収入から支出を差し引いた事業収支差金が84億円となり、前年同期より増加した。支出削減の効果が出た形だが、これは積立金の取り崩しが伴うもので、恒常的な改善とは言い切れない。加えて、翌年2月に予定されるミラノ・コルティナ冬季大会の取材費など特別な支出が増えるため、通期では約400億円の赤字を見込む状況となった。
収益基盤の不安定化が浮上した状況
NHKの経営委員長である古賀信行氏は、現在の環境について受信料収入の底が見えないと述べ、安定的な収入確保の難しさを指摘した。契約数の減少や未収件数の増加が続くなか、支払率の改善に向けた取り組みが求められている。放送事業を取り巻く構造的変化が続く中、収益基盤の維持に向けた対応が中長期的な課題として浮き彫りになった。
