外国人旅行者が過去最速で3000万人超 観光立国復活へ

宇津木 柊
经过

コロナ後の回復続く、9月の訪日客326万人超

日本政府観光局の集計によれば、2025年9月の訪日外国人は約326万7000人に達し、前年比13.7%増を記録した。9月として初めて300万人を超える快挙で、観光需要の勢いが衰えていないことを示した。休暇明けの時期にもかかわらず、東京や京都など主要都市の観光施設は賑わいを見せた。

年間累計3165万人、過去最速ペース維持

1〜9月の累計訪日客数は約3165万人に上り、過去最速で3000万人を突破した。前年を大幅に上回るペースで、17.7%の増加率を示している。観光関連業界では、インフラ投資や地域振興策の効果が着実に表れているとの分析がある。

米欧・中東市場の伸びが鮮明に

国・地域別では、米国(22万4700人)やドイツ(5万2800人)など欧米からの旅行者が顕著に増加した。また、大阪・関西万博の関連行事により中東地域からの訪問者も拡大し、多様な旅行層の取り込みが進んでいる。これにより、訪日観光の地理的バランスが広がった。

台湾・韓国・香港も堅調推移

東アジア圏では、台湾が52万7000人(12.0%増)と堅調に推移し、韓国や香港も前年を上回った。台風の影響が一部地域にあったにもかかわらず、リピーター需要が底堅く、円安傾向も追い風となった。

年間4000万人台の可能性高まる

観光庁によると、このペースを維持すれば年間で4000万人突破が視野に入る。2024年の3687万人を超える可能性が高く、日本の観光立国再生を象徴する年となりそうだ。宿泊業界や地方自治体では、さらなる受け入れ体制の強化が課題として浮上している。

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