気候変動反映へ コメ収量評価を新指標に刷新

早瀬 涼真
经过

作況指数廃止の背景が明らかに

農林水産省は9月18日、長年用いられてきた「作況指数」を廃止する方針を示した。背景には、気候変動の影響を踏まえた評価基準への転換が求められてきたことがある。新基準は単収を明確にし、より実態を反映させる仕組みとなる。

単位収量を明示する新名称を検討

新しい名称には「単収指数」や「作況単収指数」などが候補として挙がっている。従来の「作況指数」は全国的な総収穫量と混同されやすく、理解を難しくしていた。単位面積当たりの収量を明記することで、情報の正確な伝達が期待される。

新方式は直近5年間の平均で評価

従来は過去30年の収量傾向を基準にしていたが、新方式では直近5年間を対象とし、極端な豊作や凶作を除外して平均を算出する。これにより、近年頻発する猛暑や異常気象を反映しやすくなるとされる。

名称に「作況」を残すかどうかの議論

現場では「作況」という言葉がすでに定着しているため、完全に消すべきではないとの意見が根強い。一方で、新たな時代にふさわしい指標名を採用すべきだという声もあり、調整は続いている。

新基準は10月中旬からの運用開始へ

農林水産省は新指標を10月中旬から公表する計画だ。約70年間続いた従来の方式からの大きな転換であり、農業政策や市場分析のあり方に影響を及ぼす可能性があると注目されている。

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