監視行動中の自衛隊機に照射発生
中国軍のJ15戦闘機が6日、沖縄近海の公海上空で航空自衛隊F15にレーダー照射を行ったことが、防衛省の7日の発表で明らかになった。照射は2回確認され、日本側は航空機の安全を損なう問題行為と判断した。台湾情勢をめぐる日本側の発言に中国が不満を示している状況下で発生したことから、緊張は外交面を超えて軍事領域へ拡大している。中国軍機は空母「遼寧」から発艦しており、同艦周辺で大規模な訓練が続いていた。
中国は捜索レーダー使用と説明
中国外務省は8日、照射が通常の訓練手順だと強調し、日本側が過度に問題化していると主張した。郭嘉昆副報道局長は、国際法に基づき適切に行動したと説明し、関連海域での作業は専門的な手続きに沿うものであると述べた。駐日中国大使も日本側へ抗議し、情報発信の是正を求めた。一方、中国海軍は空母「遼寧」が戦闘機やヘリの発着艦を繰り返す訓練を実施していると発表し、安全確保の観点から必要な措置を取るとした。
日本側は危険性を指摘し対抗姿勢示す
日本政府は、中国側の説明を受け入れず、自衛隊機は通常任務を適切に実施していたと説明した。木原稔官房長官は、中国の主張は事実関係と異なると述べ、照射が安全範囲を超えていると強調した。高市早苗首相は今回の行為を重大視し、再発を防ぐための厳正な申し入れを行った。沖縄周辺では6日と7日にかけて計約100回の発着艦が確認され、空母運用能力の強化が進む中、日本側は警戒監視を継続している。
経済面で表面化する新たな懸念
軍事的緊張が高まる中、中国によるレアアース輸出許可の処理遅延が日本企業の事業に影響を及ぼす可能性が報じられている。レアアースは供給の大半を中国に依存しており、手続きの変化は広範な分野の生産に影響する可能性がある。政府は世界的な供給網への影響を重視し、国際協力を通じて安定確保を図る姿勢を示した。経済界からも強い懸念が表明され、訪中団の継続は両国の対話維持につながる重要な機会と評価されている。
