AMD株急騰、オープンAIとの大型契約でAI事業を拡大

笠原 美琴
经过

年間数百億ドル規模の取引が明らかに

米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は6日、米オープンAIとAI半導体供給に関する複数年契約を締結したと発表した。契約金額は年間数百億ドル規模に上るとみられ、AMDのAI事業が新たな成長段階に入った。AI需要の急増を背景に、同社は供給体制の強化と顧客基盤の拡大を同時に進める方針を示した。

次世代GPU「MI450」でAIインフラを支援

AMDは来年後半から、最新のGPU「MI450」シリーズをオープンAIに供給する。これらの半導体は同社のAIモデルを支える中核技術となり、大規模データ処理能力の強化に寄与する。オープンAIは新たなデータセンターを建設し、AIモデルの学習速度と効率性を高める計画を進めている。

オープンAIがAMD株取得権を獲得

契約の一環として、オープンAIはAMD株を最大10%取得できる権利を得た。行使価格は1株あたり1セントで、マイルストーン達成に応じて段階的に実施される。初回行使は来年後半を予定し、最終行使条件は株価600ドルの達成となる。オープンAIは、AMDへの長期的なコミットメントを通じてAIインフラの安定供給を確保する。

株価急伸で市場は高評価、AI関連銘柄に波及

契約の発表直後、AMD株は急騰し、一時34%高を記録。市場では同社の成長戦略に対する期待が強まり、AI関連銘柄にも上昇が広がった。AMDは今回の提携で年間数百億ドルの売上増加を見込むほか、波及効果を含めると今後4年間で1,000億ドル規模の収益機会を確保できるとの見通しを示した。

エヌビディア独走への挑戦とAI市場の転換点

アナリストによれば、今回の契約はAMDの技術的信頼性を裏付けるものであり、エヌビディアが支配するAI市場において新たな競争軸を形成する可能性がある。一方で、依然としてエヌビディアの需要は圧倒的であり、AIチップ市場の競争は激化の一途をたどっている。AMDとオープンAIの協力関係は、AI産業の次なる勢力再編を占う試金石となりそうだ。

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