アップルとオープンAIの提携に法的挑戦

マスク氏主導の訴訟が始動

イーロン・マスクが率いる xAI は、アップルとオープンAI を米国反トラスト法違反で提訴した。両社が市場を独占し競争を封じたとして、南部テキサス州の連邦地裁に訴状を提出。被害額は数十億ドル規模にのぼると主張されている。

今回の訴訟で争点となっているのは、ChatGPT が iPhone に直接組み込まれたことだ。その結果、ユーザーは他のAI製品を選択できず、xAIの「グロック」を含む競合サービスが市場から締め出されたと主張されている。

訴状では、オープンAIが生成AI市場で 80％超のシェアを握り、競争の余地を狭めていると明記された。新興企業による製品開発や市場拡大が阻害され、イノベーションが抑制されているとの主張が展開されている。

マスク氏はかつてオープンAIの設立に関与したが、離脱後に自ら xAI を立ち上げた。以降、サム・アルトマンCEO との対立は続き、今回の法廷闘争は両者の関係悪化を象徴するものとなった。訴訟はAI業界の権益を巡る衝突の一例といえる。

オープンAI は声明で「マスク氏による継続的な妨害行為」と非難し、訴えを退けた姿勢を示した。アップルはこれに関して発言を控えている。裁判の結果は、AI市場全体の競争環境に大きな影響を与える可能性がある。