AI活用で道路安全を強化 北九州市が新システム導入

長峰 詩花
经过

AI導入で交通インフラ管理を刷新

北九州市は、市内約1万カ所のカーブミラーを対象にAIシステムを運用し、業務効率化による作業時間と費用の削減が、継続的な安全点検の実施を後押しすると見込まれている。

市が導入した全国初のAI判定システム

新システムは東京のスタートアップ企業「リリード」と共同で開発され、2025年4月から本格運用が始まった。作業員がスマートフォンでカーブミラーを撮影し、その画像を市のデータベースに登録。AIが腐食や欠損を解析し、「緊急措置段階」から「健全」までの4段階で修繕の必要性を判断する。

点検精度と効率の両立が判明

従来は作業員による目視やハンマー打音での確認が主流で、年間延べ約640時間、約1,500万円の費用がかかっていた。令和6年度の試験運用では、AI活用により延べ約340時間、約800万円まで削減され、熟練技術者と同水準の判定精度を維持できることが証明された。

約1万カ所のミラー点検に活用

北九州市は、市内に設置されている約1万カ所のカーブミラーを対象にこのAIシステムを適用。効率化による時間短縮と費用削減が、日常的な安全点検の持続性向上につながると期待されている。

他設備への応用可能性

市は今後、この技術を道路照明灯など他の道路インフラにも展開する計画を検討中だ。AIによる設備管理が広がれば、地方自治体におけるインフラ維持の在り方が大きく変わる可能性がある。

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