ユーロ圏に新たな加盟国、ブルガリアが加わる

井村 智規
经过

2026年元日、ブルガリアがユーロ制度へ移行

欧州連合(EU)は7月8日ブルガリアのユーロ採用を正式に認可した。移行日は2026年1月1日とされ、これによりユーロを導入する国家の数は21カ国となる。今回の決定は、EU加盟国の財務相らによる閣僚理事会で全会一致で採択された。

加盟条件を満たしたことが承認の前提に

2025年6月、EUの欧州委員会はブルガリアの財政・経済の諸状況を調査し、インフレ率や通貨の安定性、歳出入の均衡など、ユーロ圏加盟に必要な水準に達していると確認した。

通貨同盟の枠組み拡張は3年ぶり

ユーロ制度は1999年に誕生し、以後段階的に加盟国が増加してきた。直近の拡大は2023年のクロアチア参加であり、今回のブルガリア加盟はそれに続く動きとなる。これにより、バルカン半島でのユーロ使用国がさらに広がることになる。

レフからユーロへ、通貨転換の意義

現在ブルガリアで使用されている通貨レフは、2026年をもって公式な法定通貨としての役割を終える。ユーロへの切り替えにより、ユーロ圏諸国との取引の円滑化通貨変動リスクの回避が期待される。さらに、外国からの投資呼び込みにも追い風となる可能性がある。

経済統合の象徴としてのユーロ制度

今回のブルガリア加盟は、単なる通貨切替以上の意味を持つ。ユーロ圏の拡張は、EU全体の財政・金融協調体制の深化を象徴するものであり、欧州内の経済的結びつきを一層強める契機となる。今後、他の加盟候補国がこの動きに追随するかどうかも注視されている。

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